中古のトランペット・ホルン・ユーフォニアム・トロンボーン購入、値段、選び方

ここでは金管楽器の中古品についてまとめています。

トランペット、ホルン、ユーフォニアム、トロンボーンの選び方、購入での注意事項などです。

中古の金管楽器で気にする部分と音色の関係

金管楽器の場合、中古楽器となるとまず気になるのは「外観」になります。

楽器の管体には、金属が腐食しない様に「メッキ」と言う塗膜が塗布されています。これにより、微妙な音色の変化もあるのですが、一番の意味は「管体金属の保護」です。

このメッキは、キズが付いた部分や、手汗や指紋が付着し、それらが長期間付着していると「メッキ剥がれ」が起こります。

メッキが剥がれた部分は管体金属の素地が出てきますので、空気中の酸素と化合してしまい、黒ずんできてしまいます。学校備品として置かれている金管楽器が古く見えてしまうのは、このメッキ剥がれのせいなのです。

「金管」楽器ですので、管体金属の状態は非常に大切です。

綺麗な状態の楽器とは違った音色となり、中古の金管楽器としてはこれが「味」になるのです。

新品か中古かどちらを選ぶか

管体の状態もさながら、金管楽器もやはり「前使用者のクセ」が楽器に染みついている場合があります。音によっては鳴りにくい部分や鳴り易い部分があったり、前使用者の構え方によっては、握っていた部分のみメッキが剥げている場合があります。

初心者の方は、まずは「楽器に慣れる」事が非常に大切です。その上では、手にした楽器に変なクセがあると、自身の奏法がそこに寄ってしまい、基本の奏法からずれてしまう可能性が非常に大きいため、可能であれば新品からスタートして、基礎をきちんと身に着けて下さい。

…と言う事で、中古楽器は「経験者の方が、自身の趣向に沿った音色を出すために探し出す方法」の一つだととらえて頂ければと思います。

中古の金管楽器の選び方や注意点

中古のトランペット

まず大切なのは「ピストンの状態」です。キチンと全てのピストンが上下運動に対して邪魔することなく、綺麗な動きをするかどうかチェックしましょう。

次に、各種抜き差し管の動きがスムーズであるか、確認しましょう。

特に「第一抜き差し管」「第三抜き差し管」は、滑らかに、と言うよりはスッスッと素早く動く事が大切です。

注意点として、楽器が古ければ、チューニング管(主管)がすぐ抜け落ちてしまう事があります。これは金属同士の摩擦により金属が擦れてしまう事により起こります。

修理は可能ですので、お気に入りの楽器であれば確認しましょう。

中古のホルン

各ロータリーが噛む事無く動いているかどうか、レバーアクションを確認しましょう。又、各レバーの高さが揃っているかも合わせて見ましょう。

トランペット同様、各抜き差し管の可動も確認しましょう。

ベルカット式の場合…ベルの接続部が上手くかみ合っていない事があります。スムーズにジョイント出来るかどうか、確認しましょう。

中古のユーフォニアム

ユーフォニアムは抱きかかえるようにして構える為、肌が管体に触れる面積が多いため、メッキ剥がれが多く見られます。特にピストン付近を握る為、剥がれ具合を確認しておきましょう。

他の金管楽器同様、各種抜き差し管がスムーズに動くかどうかも、合わせて確認しましょう。
 

中古のトロンボーン

トロンボーンの命である、「スライド」の可動をきっちりとチェックしましょう。

スライド部だけを手に取り、内管・外管を人差し指と親指のみで支え、ゆっくりと降ろしましょう。摩擦感が無ければ問題ありませんが、引っ掛かりやスレた感覚があれば、修理が必要です。

テナーバス又はバストロンボーンであれば、ロータリー部の可動も合わせて確認しましょう。

おすすめの中古金管楽器とその値段相場

・トランペット

メーカ・シリーズ 値段相場
ヤマハ‥現行のYTR-8000シリーズ 定価の7割程度
バック‥180ML37 定価の7割程度

・ホルン

メーカ・シリーズ 値段相場
ヤマハ…YHR-567以上の現行商品 定価の7割程度
アレキサンダー/ホルトン/ヴィンツェルマインル‥現行品番 定価の7割程度

・ユーフォニアム

メーカ・シリーズ 値段相場
ヤマハ‥YEP-642S/YEP-842S 定価の7割程度
ベッソン/ウィルソン‥各種品番 現行品番‥定価の7割程度
廃版品番‥当時の販売価格の7-8割程度

・トロンボーン

メーカ・シリーズ 値段相場
ヤマハ‥現行のYSL-800シリーズ 定価の7割程度
バック‥現行品番各種 定価の7割程度
キング‥2102/2103 製造年により定価の7-10割程度

失敗しない中古の金管楽器の買い方

楽器店での中古楽器の買い方

初心者の方は、「有名メーカー」の、「なるべく安価な商品」を一度試奏させてもらいましょう。その付近の価格帯の商品が他にあれば、それも合わせて吹いてみましょう。

その中で、「息が通りやすく、音色も好きな楽器」を選ぶと良いでしょう。

最初の内はアンブシュア(唇の形)が定まらず、吹きづらいかもしれませんが、息が通り易ければご自身の息遣いと楽器が「合っている」状態でありますし、音色が好みであれば飽きもすぐにはこないでしょう。

経験者の方は、とにかく展示されている楽器を吹き比べましょう。高価な楽器であれば、楽器ごとの「個体差」も大きくなってきますので、少しでも気になるものがあれば迷わず試奏をお願いしましょう。

また、「全く同じ楽器は二つと存在しません」。ここのお店に行って、次はあのお店に…なんて言っている間に、良い楽器が他の人に取られてしまうかもしれません。
たくさんの店舗を梯子して決めるより、頼れる一つのお店を決めて、そこでじっくり選ぶと良いでしょう。

通販での中古楽器の買い方

ネットの通信販売の怖いところは「そのものを手に取れない」ところにあります。

楽器と言うものは一台一台微妙に違うものですので、これを比べる事が出来ない怖さは何にも代える事が出来ません。

ですので、一番大切なのは「安心できるメーカーを購入する」事です。

安価な楽器はたくさんありますが、それらはほとんど近隣国で生産されている楽器でしょう。楽器に対する安心と言う点では、現状あまり信頼は出来ません。

その楽器界では有名なメーカーか、安心の国内メーカーのどちらかを購入するようにしましょう。