サックス買取価格と高く売る方法を、楽器店スタッフが教えます

サックスを売ろうかなと思った時に見ておくと良い情報をまとめました。買取価格の相場は?査定者が見るポイントと、高く売る方法など。

サックスの買取価格、相場はどのように決まるのか

サックスの買取価格を決める要因は様々ですが、

  • 現行の品番であるか、また人気の品番であるか。
  • 金属の腐食具合はどうか
  • 管体にゆがみ、凹み、キズ等がないか、
  • 消耗パーツ(タンポ、コルク、バネ他)に不備がないか
  • 各キィに動作不良が無いか
  • ケースの痛み具合はどうか

が主なポイントになります。

買取価格の相場に関しては、中古である以上は状態が良い楽器で高くとも定価の3-4割程度になるかと思われます。

楽器と言うのは非常に繊細であり、一度奏者が吹き込んだものはその人の「クセ」が楽器についてしまう為、見た目が綺麗でも「新品同様」とは良い難いのが現状です。

上記とは別に、管楽器には珍しくサックスには「ヴィンテージ」と呼ばれるモデルがいくつか存在します(例…アメリカンセルマー、セルマー Mark 6、Mark 7 、ヤナギサワ エリモナ他)。

現状では入手出来ないものですが、構造や音色が特徴的で、現代でも根強いファンが居る為、50万~100万以上のものも販売されています。

査定者が見るサックスのポイント

楽器の品番、製造年

楽器の製造過程も日進月歩進化しており、上記でお伝えした「ヴィンテージ」と呼ばれる物以外は基本的には新しいもの、現行品又は現行品に近いものが高値で買い取りされます。

金属の腐食具合

サックスと言う楽器は「真鍮(銅と亜鉛の合金)」で作られており、ほとんどの楽器には真鍮が腐食していかない様に「ラッカー(塗装)」が施されています。

手汗や油分が楽器に付着したまま長期間置いていたり、楽器にキズが付きラッカーがハゲてしまうとそこを中心に腐食が広がっていきます。

管体にゆがみ、凹み、キズ等がないか

金属で出来ているので、何かにぶつかれば当然凹みますし、譜面台や机で擦ってしまった場合にキズが出来てしまったりします。

一度凹んでしまった部分を修繕すると、凹みの大きさや程度により、形は綺麗に戻っても、金属の展延性が作用してすこしシワの様な「修理痕」が残ってしまう事もあります。

また、サックスとは非常に繊細な物の為、机に置く時の力の強さや、少し何かにぶつかった衝撃でベルが微妙に歪んだり、トーンホール(タンポと音孔との接地面)が平行で無くなったりと、目で見るだけでは見えないレベルでの歪みが起こる事があります。

消耗パーツ(タンポ、コルク、フェルト、バネ)に不備がないか

  • タンポ
    サックスは、タンポと呼ばれるフェルトや台紙を皮で包んだもので音孔(管体に空いている穴)を塞ぐ事により音階が変わるのですが、このタンポが痛んで破れていたり、長期の使用で縮んでしまっていたりすると、きちんと音孔を塞ぐ事が出来ず、息漏れを起こしてしまい、音程が不安定になったり、音が鳴らなくなる原因となります。
  • コルク・フェルト
    また、サックスはコルクやフェルトを貼り付けることによりキィの高さを調節している箇所がいくつかある為、それが薄くなっていたり剥がれ落ちていたりすると、音の高さが変わってしまったり、雑音(金属同士が触れ合う事による振動音)が鳴ってしまう原因になります。
  • バネ
    その他に、サックスにはたくさんバネがついており、この張力を利用してキィを定位置に戻したり、キィを押す強さを決めていたりします。これが劣化していると、すぐにバネが外れたり、バネがキィを跳ね返す力が弱くなっていたり、最悪折れてしまう事もあります。

各キィに動作不良が無いか

サックスを始めとして、木管楽器は一つのキィを動作させることにより複数のキィ・レバーが動き音程を変える仕組みを持っています。

その連動箇所がスムーズに動かなかったり、キィとキイを繋ぐキィポストと呼ばれる部分にガタつきがあると、無駄な力が必要になってしまったり音が鳴らなくなってしまったりと、楽器としては不完全な状態となります。

ケースの痛み具合はどうか

購入時の標準ケースでもその後に購入した運搬用のケースでも、やはりキズや汚れが酷いと見栄えも悪く、査定者には良い様には映りません。

とは言えケースの存在意義としては「楽器を守る」事が一番ですので、当然キズも多数ついてしまうと思います。

買取の事まで考えておくのであれば、楽器の購入時に運搬用のケースも合わせて購入し、標準ケースは買取の際まで閉まっておくのが良いのかもしれません。

楽器買取業者にサックスを高く売る方法

サックス

業者に高く買い取ってもらうためには、なるべく不良個所の無い状態でお渡しするのが一番です。また、サックスは構造が複雑であり、消耗パーツも自分自身で交換する事が出来ません。

長期にわたり眠っている場合や1年以上メンテナンスに出していない場合、買取に出す前に一度近くの楽器店へ持ち込み、不良個所の修理を行ってもらってはいかがでしょうか

修理もお金がかかるものですので、楽器そのものが古く、価値があまりない物であればそこまでかけても価値が上がらない事もあります。

しかし、現行品番や現行に近いもので本体の見栄えも良いのであれば、修理にかかった費用以上に買取価格が上がる事もあります。

また、買取に出す前に楽器に付着している指紋や汚れは専用のクロスでふき取りましょう。見栄えも大切なポイントです。

高く見せるサックスのお手入れ術

高く見せる為に大切なことは「見た目・楽器の中を綺麗に保つ」ことが一番です。

見た目について、楽器が腐食する一番の原因は「手汗、油分」です。

演奏後は必ず楽器用のクロスで楽器についた指紋をふき取り、指紋がついていなくとも、手や指が触れた部分はしっかりと吹き上げましょう。

また、管体内部の大敵は「水分」です。

呼気に含まれる水分や空気中の水分がトーンホールや管内に溜まり、タンポにダメージを与えたり、汚れが管内に溜まったりすることがあります。

演奏後には必ずネック・管体にクリーニングスワブを通し水分を取り除き、全てのタンポにクリーニングペーパー等を当て、水分を取り除きましょう。

日々のお手入れを欠かさず行う事が、一番の秘訣です。

値崩れしにくいサックスのシリーズ

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