楽器の修理をするにはどこに依頼すればよい?
楽器という物は、使っていればいつかはかならずガタがくるもの。
では、楽器にガタがきたらもう使えないのか?…答えは「No」です。
全国には大手チェーン店から町の小さなお店まで、たくさんの楽器店が存在しています。
「楽器が壊れてしまった!」「音が鳴らない…」「なんだかいつもの様に演奏出来ない…」
等、何か不調が起きた場合には、楽器店へ持ち込み、相談してみましょう。…と言っても、楽器店はたくさんあります。どこに持ち込むのが一番いいのでしょうか。
A.購入した楽器店
皆様が店舗を持つ楽器で楽器を購入した場合、一番に浮かぶお店はここでしょう。
お店としては、販売した楽器である以上、その楽器については販売した「責任」が生じます。
楽器店により様々ですが、「購入から半年間は調整無料」だったり、「購入後5年間の修理は無料」だったり、お店のお客様を逃がさない為の様々なサービスを提供している事が多いです。
では、購入していない楽器店に持ち込むとどうなるでしょうか。
他店で購入された楽器を持ち込まれた楽器店は「自店のお客様の満足度向上」「他店との差別化」を図る為、納期が通常より長くなってしまったり、そのお店からの購入者に比べて少し割高になる場合があります。
これは、決してそのお店が悪いわけではありません。
通信販売や出店数の増加により、現在日本では様々な方法で楽器を購入する事が可能です。
その中で、自身のお客様を逃がさないため、そういった形で繋がり続けようとしているのです。小売店ならではの宿命でもあります。
新品の楽器を扱っているお店なら、メーカーや卸売店、修理業者などと繋がりがあるはずですので、金額や納期を考えなければ確実に修理を行ってくれます。
まずは初めに、購入した楽器店へ持ち込んでみてください。
B.近くのショッピングモールに入っている大手チェーン店
S楽器やI楽器等、いろんなショッピングモールに入っている大手のお店も、修理を扱っています。
ただ一つだけ注意点が、「そのお店にその楽器の知識がある人がいるかはわからない」と言う事です。
大衆店であると言う事は、その分勤めているスタッフもいろんな人がいます。
シフト制の出勤、各店に正社員は一日1-2人のみ、と言うお店が多い為、持ち込んだ日に正確な回答が出ないことがあります。
また、そのお店にリペアマンが常駐しているかどうかにより、納期や対応が大分違ってきてしまいますし、対応されたスタッフの方によって知識の差が激しく、欲しい回答を得る事が出来ない場合があります。
もしその様な大衆店に持ち込む場合は、事前にお店に電話をし、知識のあるスタッフがいるかどうかを確認しましょう。
C.町の小さな楽器店
ピアノ教室や小さなギター教室等、楽器店と言う括りで話すとたくさんのお店があります。
教室運営を多店舗で行っているようなお店は「特約店」と言われる、メーカー楽器の販売権や、パーツの供給を可能としている契約をしている事があります。
いろんな楽器の講師の方々も、ただ楽器を教えるだけではなく、指導から入って新しい楽器を購入してもらう事が一つの目的でもあります(もちろん生徒の上達が一番の目的です)。
その為、メーカーとの協力が必要不可欠なのです。
また、上記の様な多店舗でなくても、「楽器」を生業としている以上は、どこかで修理業者等とのつながりがあるはずです。
小さなお店の中には「管楽器修理専門店」や「弦楽器専門店」、「打楽器専門店」等、様々な業態のお店が存在しています。
お店の方も気さくな街の社長、と言った方が多いので、気軽に相談に行ってみてはいかがでしょうか。
管楽器の修理内容と値段相場
「管楽器の修理」と一言でまとめる事は非常に難しくなっています。
木管楽器、金管楽器といった大区分から、楽器の種類や大きさ、経過年数や不調の度合いにより、500円で直るものから10万円程度かかってしまうものもあります。
例えば
全タンポ交換(交換に際する調整含む)→39800円~
・アルトサックス 全タンポ交換(交換に際する調整含む)→ 45000円~
・バリトンサックス 全タンポ交換 (交換に際する調整含む) →75600円~
と、楽器が大きくなるにつれて修理金額が高くなることが多いです。
理由としては、楽器自体が大きくなると、その分修理に掛かる工程が増えてしまうため、工賃が多くかかってしまいます。
また、金管楽器の修理も上記同様、幅が非常に大きいです
例えば
・トランペット 凹み直し(小) → 3000円~
・ユーフォ 凹み直し(中) → 8000円~
と、大きさや場所により、金額がかなり増減します。
ほとんどのお店は修理に入る前に「概算見積り」を大体の判断で教えてくれますし、時間がかかっても良ければ「正規見積り」を出してくれる場合がほとんどです。
修理を依頼する前に、一度見積り依頼を出してみてはいかがでしょうか。
打楽器の修理内容と値段相場
打楽器の修理も、管楽器と同じく幅があります。
また、楽器によってはそもそもの構造として修理が出来ないものもあります。
例えば
・シロフォン 音板・紐交換 3000円~(音板代・紐代別)
等、作業工賃があまり高くないものもあれば
と、作業に時間を要するものはその分金額も大きくなります。
ただ、打楽器に関してはアマチュアのプレイヤーの方でもパーツだけを購入し、自身である程度の修理を行う場合が良くあります。
もしお知り合いに打楽器プレイヤーの方がいらっしゃれば、一度ご相談してみてはいかがでしょうか。
鍵盤楽器の修理内容と値段相場
アコースティックピアノの場合
大体の内容は「整調」と呼ばれる、全体の音程調整です。その他にも「タッチ感の調整」等、指先に伝わる力の部分や、音の鳴りだし方を調整する等、かなり専門的な部分の修理もありますが、かなりプロ向けの内容です。
整調で言うと
・グランドピアノ 15000円~
・アップライトピアノ 12000円~
程度がおおよその目安ですが、昨今の競争激化により、これよりも低価格で行っているところも多々見受けられます。
調律師の腕によるところが非常に大きいので、あまりに低価格なところは注意が必要かもしれません。
電子ピアノの場合
アップライト型の場合、多くは「出張修理」と言った形で、ご自宅にサービスマンが来られて、その場で点検、調整を行う事が多いです。
事前に不調具合をメーカーやお店に伝えておくと、症状から必要なパーツや工具を準備してきてくれますので、ある程度の情報を先方へ伝えておくことも必要です。
一つ注意点が、軽度の修理や点検だけで済んでしまっても、サービスマンの「出張点検料」がかかってきてしまいますので、ご注意ください。
・断線等によるアダプターの交換(~2000円程度)
で収まらないものは、現行の新品を購入した方が安く早い事の方が多いため、買い替えをご検討下さい。
楽器ケースの修理ってできる?
純正ケースでも外品ケースでも、メーカーや製造年により、可能です。
破損したケースの楽器メーカーを取り扱っているお店にお伺いすれば、
・(純正ケースの場合)その楽器の品番
・(外品ケースの場合)そのケースの形・品番
をお伝えすれば、修理の為のパーツが供給されていれば、修理を行ってくれます。
ケース自体が古い場合、メーカーがその破損部のパーツ供給を既に停止している場合がございますので、ご注意ください。